コリドラスの中でも、子供も大人も大好きな人気品種が「コリドラス・パンダ」です。
白い魚体と目の周りにある黒い模様が特徴的であり、まさに動物のパンダを思わせる容姿が愛くるしいコリドラスです。
国内でのブリード生体も流通していることから、比較的容易に安価で入手できるのも嬉しいところです。
また、体長も5cm以下と小さく気性も温和なことから、ネオンテトラ等の魚と混泳も全く問題無いという特徴もあります。
そんなコリドラス・パンダですが、水槽飼育での寿命はどのくらいあるのか御存じですか?
アクアリウムショップの店員さんが「何年くらいです」というアドバイスをくれますが、実際の所は正しいのでしょうか?
水槽内と自然環境では寿命は異なるかと思いますが、水槽内での寿命の例は報告例も限られています。
この記事では、私が飼育したコリドラス・パンダについて実際の寿命を紹介したいと思います。これからコリドラス・パンダを飼育しようと思っている方に有益な情報になれば幸いです。
2019年2月から7匹のコリドラス・パンダを飼育
2019年2月になりますが、近くのアクアリウムショップでコリドラス・パンダを7匹購入し、飼育を始めました。
購入当初は、体長が2cmくらいのとても小さいコリドラス・パンダだったのを今でも覚えています。多分、生後3ヵ月から4ヵ月程度のコリドラス・パンダだと思われます。
子供が気に入ったこともあり、ネオンテトラやカージナルテトラが泳ぐ水槽で混泳させて飼育をしてきました。
アクアリウムショップの店員さんから「コリドラス・パンダの寿命は2~3年くらいですね。」と言われたことを今でも覚えています。
しかし、飼育日数が経つにつれて、コリドラス・パンダがお星様になってしまう数が多くなり、2020年の年末にはついに残り1匹になってしまいました。
そして、2019年2月からちょうど2年が経った2021年2月に最後の1匹がお星様になってしまいました。
私が理系の人間のため、日々の管理の事を記録に残しております。その中の一つのデータとして、水槽飼育のコリドラス・パンダの寿命について以下で記録を紹介したいと思います。
コリドラス・パンダの飼育環境について
まず最初に、コリドラス・パンダを飼育していた水槽について紹介しておきたいと思います。一般的な飼育水槽ですが、詳細は次の通りです。
①水槽サイズ: 60cm水槽
②フィルター: エーハイム2213 (外部フィルター)
③底層: コリドラスのために砂利を敷いた状態 (下の写真参照)
④水温: 年間通じて25℃で管理
⑤餌の量: 朝と夕方に数分で食べきる沈下性の顆粒状の人口餌
⑥混泳させていた魚: 小型カラシン科の魚と異種のコリドラス
⑦換水頻度: 3日に一度、水槽の1/3の量を換水
⑧コリドラス・パンダの入手: 近くのアクアリウムショップで購入した国内ブリードされたコリドラス・パンダ (合計 7匹)
換水は怠っていませんし、外部フィルターの清掃も3カ月に1度は実施していますので、一般的な飼育環境と言えるかと思います。餌の量も過剰に与えているわけではありませんし、水温も安定しておりました。また、水ミミズが発生したり、他の病気が蔓延したことも無い水槽です。
ただし、水槽のレイアウト変更で3日ほど別の水槽で飼育していた期間や、飼育水槽をしばらく移したこともあります。それらの別水槽でも、基本的には同じような管理方法・飼育環境でした。
コリドラス・パンダの実際の寿命を紹介
では、ここからは水槽で飼育していたコリドラス・パンダの寿命について、実際のデータを紹介させていただきたいと思います。
以下のグラフが、データをグラフ化したものになります。
横軸が飼育期間で、×印が付いている位置がお星様になってしまったコリドラス・パンダがいる月になります。
飼育を始めてから2カ月の間で、立て続けに2匹がお星様になってしまいましたが、それ以外は2年の間で所々でお星様になってしまっています。
コリドラス・パンダを家にお迎えしてからの平均寿命を計算してみると約1年となります。
購入した時点で生後4ヵ月程度だったと仮定すると、平均寿命は1年4カ月となります。
飼育したコリドラス・パンダの数が7匹と少ないので、平均寿命はあくまでも参考となりまが、一定の環境に管理された水槽内でも、それほど長い寿命は得られていないことになります。
もう少し長く生きてくれると思っていたので、2年の飼育で全てのコリドラス・パンダがお星様になってしまった事実は、少し悲しい結果です。
その理由は様々考えられます。ブリード個体であること、実は水槽の環境・水質・餌がコリドラス・パンダの飼育に適合していなかったこと…など。
ただし、一般的な水槽管理方法でこの寿命なので、実は平均寿命1年程度というのは、水槽飼育のコリドラス・パンダの寿命として事実である可能性も否めません。
もし、読者の皆さんのコリドラス・パンダの寿命について、教えていただけるものがあれば、コメント欄に記入いただけると幸いです。
コリドラス・パンダの死因は何だったのか?-わかる範囲で紹介-
では、お星様になってしまったコリドラス・パンダの死因についても、私のわかる範囲ですがお伝えしておきたいと思います。
上で紹介したグラフの中に、コリドラス・パンダがお星様になった順番に1番から7番の番号が振ってあります。それぞれの番号の時の死因について、記載していきたいと思います。
まず1番と2番ですが、これは水槽の環境に慣れることができずに、あまり餌を食べることができなかったのが死因と考えられます。水槽内で隠れたままで生活していた2匹で、水槽内の掃除のときにお星様になっているのを見つけました。
水槽導入時から隠れて出て来なかったことを考えると、水槽環境に合わなかったことが死因と考えられます。熱帯魚の中には、水槽の環境に全く合わず、衰弱してしまうものがいるので、そのような状況だったのかと。
次に3番のコリドラス・パンダですが、これは実は水槽からの飛び出しです。
コリドラスは水底で生活しているので、水槽から飛び出すことは無いと思われるかもしれませんが、実は時々水面まで勢いよく上がってきます。特に小さな体のコリドラス・パンダは、水底だけでは無く水面付近まで上昇してくることが多々あるので、何かに拍子に飛び出してしまったのだと思います。
4, 5, 6番については、全て病気に罹患してしまったと思われます。
元気に水槽内で泳いでいたのですが、突然餌を食べなくなり、衰弱してしまいました。正直なところ、病気の種類は特定ができません。状態としては、体表が白くなったり、尾が溶けていたり (尾ぐされ病?) していました。
病菌症状が出た時点で薬浴をしましたが、全て「時すでに遅し…」の状況でした。
コリドラスは、普段は水底でじっとしているので、実は病気になったことに気付くのが難しい魚だと言えます。小型カラシン科の魚などは、普段は水槽内を動き回っているので、病気になって動かなくなると病気に直ぐに気付くことができます。
そのため、コリドラスは病気と気付いた時には治療が難しい状況になっています。皆さんも、コリドラスの病気については注意してくださいね。特に見た目で判断できない内蔵系の病気などは、気づくことが難しいです。
いつの間にか病気に罹って、いつの間にか衰弱してしまっている…そのような状況に陥りやすいです。
最後に7番のコリドラスですが、これは寿命なのか病気なのか判断が付きませんでした。お星様になる前日までは特に変わったところは見受けられなかったのですが、朝起きて見て見るとお星様になっていたという状況でした。
前日に水槽内の清掃や換水などは行っていなかったので、知らないところで病気が進行してしまっていたのか、2年生きたので単に寿命を迎えたのか…どちらかではあると思います。
下の写真が2年間飼育できたコリドラス・パンダです。体長は約4cmくらいまで成長してくれました。
この記事の終わりに
この記事では、水槽で飼育されたブリードのコリドラス・パンダについて、7匹を飼育した際の実際の寿命を紹介させていただきました。
私の水槽の飼育環境下では、7匹の中で最長だったものの寿命が2年となりました。
導入初期には飼育環境に合わないことが原因でお星様になることが多く、1年程度生きるものは病気や飛び出しでお星様になってしまうものが多かったです。
コリドラス・パンダの寿命は一般的には2年から3年程度と言われています。しかし、それは健康的な状態を常に維持できた場合です。水槽飼育では、水槽からの飛び出しなどの事故や病気の罹患は避けられない課題でもあるので、実際にはそこまで長く生きてくれるコリドラス・パンダは少ないのかと思われます。
熱帯魚を1日でも長く飼育してあげるためには、水槽の環境整備を考える事や病気の知識身に付けることも重要と実感した2年間でした。