神戸で人気の釣り場「アジュール舞子」。
特にアジュール舞子のワンドは、ファミリーフィッシングのメッカで、週末ともなれば釣り場を確保するのが難しいくらいに混雑します。
アジュール舞子のワンドでの釣りは、ファミリーでも楽しめる「サビキ釣り」や「ぶっこみ釣り」による小物釣りが定番ですが、フカセ釣りでは黒鯛 (チヌ) やグレ (メジナ) も狙える釣り場になります。
私の過去の記事でも、アジュール舞子でのチヌ釣りを紹介させていただきましたが、良型のチヌを釣り上げることが出来ています。
そんなアジュール舞子ですが、実はフカセ釣りの好ターゲットが他にもいることを御存じですか?
「アイゴ」です。
アイゴは堤防釣りの外道として知られた魚ですが、実は非常に強い引きで素晴らしいファイトを見せてくれる魚なんです。
この記事では、アジュール舞子でのアイゴ釣りを紹介していきたいと思います。
フカセ釣りのターゲットとしてのアイゴ
冒頭でも記載しましたが、アイゴは釣りの「外道」として有名な魚です。
しかし、個人的な意見ですが、アイゴを釣りの外道として考えるのはもったいない理由が2つあります。
まずは、その2点を紹介します。
引きが強烈で釣るのが楽しいターゲット
一つ目は、アイゴが持つ「強烈な引き」です!
私が初めて30cmクラスのアイゴを釣った時、40cmオーバーの良型のチヌがかかったと思えるような引きを見せてくれました。
「30cmのチヌ、グレ、アイゴを並べた時、最も強いファイトを楽しめるのはどの魚か?」と問われたら、確実に「アイゴ」だと答えます。
アイゴは、泳ぐ能力が高い魚体を持っており、堤防で釣れる30cm~40cmクラスの魚の中では、上位と言えるような引きを持つ魚です。
そのため、引きを楽しむには格好のターゲットなんです。
食べて美味しい魚でもある ~一夜干しがおススメ~
2つ目は、アイゴは美味しい魚であるという点です。
アイゴは背鰭や臀鰭に毒針を持っているため、釣り上げると毒針に触れないように直ぐにリリースしてしまう方が多いと思います。
アイゴは独特の香りがあるものの、一夜干しにすると上手いが凝縮した非常に美味しい魚になります。
お酒が好きな方であれば、アイゴの一夜干しはとても良い酒の肴になるはずです。
下の記事では、アイゴの一夜干しを紹介しています。この記事で釣れたアイゴを一夜干しにした時の記事です。
【重要】アイゴは毒針に注意が必要 -処理方法-
上記の通り、アイゴは毒針を持つ魚です。
アイゴの毒針に刺されると、数時間は痺れが続き、酷い場合には強い痛みも伴うと言われています。
下の写真に毒針の位置を示していますが、各鰭に多くの毒針があります。
アイゴが釣れた時の対処方法ですが、以下に最も安全な処理方法を記しておきます。
出来れば、釣り場で処理してしまう事をお勧めします。
① まず最初に毒針に注意してアイゴの口にかかった針を外します。
② その後、魚バサミでバケツにアイゴを入れて、アイゴがお星様になるのを待ちます。
③ アイゴが動かなくなったら、厚手のビニール手袋を装着して、良く切れる料理バサミを使って毒針を根元から切り落とします。
④ 切り落とした毒針にも毒は残っているので、毒針を防波堤に放置せず、海中へ捨てるようにします。
その後、一般的な魚と同様に、内臓を処理して捌いていきます。
慣れている方であれば、釣り上げた直後に毒針を料理バサミで処理されていますが、初心者の方は上記の方法が最も安心です。
本記事で紹介するアジュール舞子のワンドについて
それでは、本記事で紹介するアイゴの好ポイント「アジュール舞子のワンド」についてです。
アジュール舞子は、明石海峡大橋の神戸側の付け根の部分にある施設になります。
詳細な場所や駐車場の情報、また釣具店やトイレの情報は、以下の別の記事に記してありますので、こちらをご覧ください。
アジュール舞子のワンドは、神戸の釣り人なら知らない人はいないと言えるくらい超有名ポイントです。
足元から水深が5m以上あり、神戸におけるファミリーフィッシングの防波堤の中でも、とても魚付きの良い場所になっています。
そのため、確実に釣り場を確保するには、朝早い時間から向かうことが必須です。特にハイシーズンとなる、春先や秋はお昼ごろに行くと入る場所がないことが当たり前です…。
アジュール舞子のアイゴは良型が多く魚影も濃い
アジュール舞子は、アイゴの数が多く、サビキ釣りでも小さなサイズのアイゴがよく釣れます。
もちろん、良型の30cmを越えるようなアイゴも魚影が濃いです。
その理由についてですが、確かな理由では無いかもしれませんが、私が思ったことを記しておきたいと思います。
餌となる海藻が豊富な明石海峡
一つ目は、餌となる海藻が多い事です。
アイゴは肉食のイメージがありますが、実はワカメなどの海藻も食べて生きている雑食性のある魚になります。
そのため、ワカメやヒジキなどを特産物とする地域では、アイゴは厄介者として扱われている場合が多いです。
明石海峡は、その豊かな潮により、岸に近い所から海藻が多く茂っています。
アジュール舞子のワンドも、底の方には海藻が茂っており、アイゴにとっては良い餌場となっているのだと思います。
撒き餌を食べて育っているアイゴが良型に育つ?
アイゴは海藻に加えて、オキアミ、アミエビ、虫 (イソメ等) も食します。
サビキ釣りやオキアミを餌にしたフカセ釣りで釣れることがその証拠です。
アジュール舞子は、ファミリーフィッシングのメッカであり、朝から晩までサビキ釣りのアミエビが大量に撒かれている場所です。
つまり、撒かれたアミエビを食べるタイミングが多く、海藻以上に栄養価の高いエビを食べることで、良型のアイゴがたくさん育つ場所になっているのではないでしょうか?
あくまでも私の個人的な意見ですが、あながち間違ってはいないかも…??
アジュール舞子ではフカセ釣りで数釣りが楽しめる -2021年秋の実釣結果-
では、実際にアジュール舞子でアイゴ狙いでフカセ釣りをした結果を紹介します。
2021年9月末と10月初旬に合計2回、アジュール舞子のワンドに行ってきました。
2回の釣行ともに、ほぼ同じ釣り方をしましたので、その情報を以下に記載します。
実際に使用したフカセ釣りの仕掛けと撒き餌・差し餌
アジュール舞子のワンドですが、水深は足元で約5m程度で、足元から10mほど沖に行くと水深が6mから7mくらいになります。
また、ワンドと言えど、明石海峡の速い潮流の影響を受けることになり、二枚潮になることも多々あります。
さらに、混雑した釣り場になりますので、フカセ釣りの仕掛けを流すことができる範囲は非常に狭いです。
そして、アイゴの住む水深は水底に近い層になります。
これらの条件を考慮すると、仕掛けを投入した後、早い段階で差し餌を水底まで送り込むことが必要になります。
したがって、3B以上の浮力のあるウキを用いて、ガン玉の沈下力を使って差し餌を送り込んでいくフカセ釣り仕掛けがお勧めです。全遊動よりも半遊動の方が良いかと思います。
針のサイズですが、アイゴはチヌの様な大きな口を持っておりません。そのため、グレ針の6号くらいが丁度良いです。
また、撒き餌に使う集魚剤ですが、アジュール舞子ではグレ用の比重が軽いものでは無く、チヌ用の比重が重いものの方が適していると考えます。短時間で底まで集魚剤を届かせたいためです。
そして、撒き餌には出来ればアミエビを入れて置いたほうが良いと思います。
上記の通り、アジュールに住み着いたアイゴは、ファミリーフィッシングのサビキ釣りに使われるアミエビを食べて育っていると考えられます。
そのため、撒き餌の中にもアミエビを入れて置いたほうがアイゴの集魚力は増すかと。
差し餌はオキアミのMサイズでOKです!
短時間の釣行でも30cmオーバーのアイゴが連発!
それでは、実際の釣果の紹介です。
2021年9月末の約4時間の釣行では、合計5匹 (27cm, 29cm×2, 30cm, 31cm) のアイゴをゲットしました。そのうち3匹を持ち帰って一夜干しにしていただきました (下の写真の3匹です) 。
そして、2021年10月初旬にも再びアジュール舞子に行き、約3時間で合計で3匹 (30cm×2, 32cm) のアイゴをゲットです。
1号の磯竿を使ったこともあり、どのアイゴも竿を大きく曲げて楽しませてくれました。
ファミリーフィッシングで有名なアジュール舞子ですが、水底にはこんな大きな魚が潜んでいるんですよね。
近くで釣りをされていた家族連れが釣れたアイゴを見に来られたのですが、「アイゴって、こんなに大きくなるんですか?!」「これがアイゴですか!?」と驚かれたような様子でした。
今回の記事では、晩夏の釣行を記事にしましたが、春先にもアイゴは釣れたので、年間を通じてアイゴ釣りは楽しめると思います。
足元のケーソンに潜られないように注意が必須!
アジュール舞子でのアイゴ釣りでの注意点が一つあります。
もちろん、アイゴの強いパワーに負けないハリスや仕掛けを使うことも大事ですが、最も注意したいのが「ケーソンに潜られないこと」です。
アジュール舞子のワンドは、足元がケーソンになっており、多くのスリットがあります。
そのため、釣られたアイゴはケーソンに潜り込もうとします。アイゴはケーソンがあることを確実に知っていて、そこに潜り込んで逃げようとします。私が釣り上げたアイゴも、全てがケーソンに向かって突っ込んでいきました。
上で紹介した釣行でも、2匹のアイゴにケーソンに潜られてラインブレイクしました…。
アイゴがかかったら、竿とリールを上手く操り、アイゴをケーソンに潜らせないようにしましょう!
この記事の終わりに
この記事では、釣りの外道として有名な「アイゴ」を、敢えてフカセ釣りで狙った釣行 (アジュール舞子) を記事にさせていただきました。
アイゴは毒針を持っていたり、食べる際も独特な香りがあるため、メインターゲットで狙う方は少ないです。
しかし、アイゴはグレやチヌに負けない素晴らしい引き・パワーを持つ魚であり、魚とのファイトを楽しむことができる格好のターゲットになります。
また、一夜干しにすれば、美味しく食べられる魚でもあります。個人的には、酒の肴にぴったりの一夜干しだと思います。
堤防で強烈な引きを楽しみたい方、是非アイゴをメインターゲットにしたフカセ釣りをしてみてはいかがでしょうか?
くれぐれも、毒針には注意してくださいね!
では!
***追伸
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アイゴを狙った釣行でしたが、良型のグレも合計3匹釣り上げました (25cm, 29cm, 30cm) 。アイゴに加えて、良い夕飯のおかずになりました。