淡水アクアリウムで水草栽培を楽しんでいる方も多いかと思いますが、水草の中にはとても背の高くなる品種があります。
高さ30cm程度の水槽の水面からも飛び出し、水槽上枠からはみ出すようなものもありますが、それはそれで自然の中を表現するような綺麗なレイアウトになります。
しかしながら、背が高すぎる水草は、魚の飼育との両立で困ることもあります。
水草が水槽から飛び出すということは、水槽に上蓋 (ガラス蓋) を置くことができないため、魚の飛び出しが発生してしまうことです。
この記事では、背の高い水草の栽培と魚の飛び出し防止を両立する、アクアフランジを使用した水槽を御紹介したいと思います。
アクアフランジとは?役割は?
「フランジ」という言葉を聞いたことが無い方もいるかもしれません。
フランジとは「出っ張っている部分や部品」の総称となります。
例えば、円柱状の配管同士を接続する部分のことをフランジと言いますし、その部分を補強するような部品も広い意味でフランジと呼ぶこともあります。
アクアリウムで使用するフランジは、水槽のガラスの上縁部分に下の図に示すように設置する部品の事を言います。
この部品は、水槽を購入した際に付属されているものではなく、別売りで購入する水槽のアクセサリーとして販売されているものになります。
魚が水槽の中を勢いよく泳いだり、何かに驚いて水槽から飛び出してしまうのですが、上の図に示すように水槽のガラス面に沿って勢いよく泳ぎ飛び出してしまうことが多いです。
アクアフランジがあれば、その魚の飛び出しを防ぐこともできますし、水槽の上が空いている状態になるので、水面から飛び出すような背の高い水草も栽培することが可能です。また、フランジの上には軽いガラス蓋を置くこともできます。
今回使用したアクアフランジはGEX製のアクアフランジです。
アクアフランジを使用した理由
まずは、我が家の水槽でアクアフランジを使用することを決めた理由について、詳細を説明させていただきたいと思います。
今回、アクアフランジを設置する水槽は、最近立ち上げた金魚の水槽になります。45cm水槽の中で丹頂・琉金・らんちゅうの3種類の金魚を飼育ています。
エキノドルスが勢いよく育ったため
アクアフランジを使用する理由の一つ目は、エキノドルスが大きく成長していることです。上の写真で紹介した水槽の中に、エキノドルスがミックスされた「詫び草」が置いてあるのですが、そのエキノドルスの背が高くなってきました。
購入した当初はもう少し小さく、水中でおさまっていたのですが、エキノドルスの成長速度が速く、既に水面から飛び出してガラスの上蓋まで到達しています。
このまま成長させると、葉がガラス面にぶつかり、茎が折れたり葉が破れてしまう原因になります。実際、葉が一枚、葉脈の部分が折れてしまっていました。
エキノドルスを水面から飛び出させるようなレイアウトを作るために、水槽の上蓋を外したかったのです。
ガラス蓋が無くても魚の飛び出し防止ができる
上で紹介したように、エキノドルスが大きく成長したため上蓋を付けることができません。そのため、金魚が飛び出してしまうという懸念があります。
実際に先日、琉金が勢いよく飛び出してしまうという事件が起こりまして…上蓋が無いと心配になる状況なのです。
ただ、飼育している金魚はヒレが長く勢いよく泳がないタイプのものなので、水槽の中央からジャンプして飛び出すようなことは無いと思います。
そのため、アクアフランジを付けてあげれば、金魚の飛び出しは高確率で防げるだろうと思います。
実際にアクアフランジを付けた水槽外観
今回は45cm水槽なので、45cm水槽用のアクアフランジを用意しました。しかし、フィルターや水槽用ライトが設置されているため、45cmでは長すぎるので切って使わねばなりません。
アクアフランジは、固いゴムの様な素材なのですが、一般的なハサミでは切ることができないため、園芸で使っている剪定バサミ (花木用の強いもの) でカットして使いました。カッターナイフでも切れないと思います。
では、実際にアクアフランジを設置した写真を下に載せておきます。
フランジ部として水槽の内側に飛び出している部分は約4cm程度あるので、少しだけ水槽上部の視野が狭くなります。
しかし、水草のエキノドルスの葉は水槽の水面から飛び出して成長できる状況になっていることもわかるかと思います。
また、アクアフランジは水槽のガラス面を挟み込むように設置するのですが、そう簡単には外れない設計になっているので、魚がぶつかっても外れてしまう心配は無さそうです。
背の高い水草栽培に便利なアイテム
アクアフランジは、背の高い水草栽培と魚の飼育の両立という観点で、とても便利で役立つ部品です。
エキノドルスだけではなく、アヌビアス・バルテリー等の水草が水面から飛び出している場合にも利用することができます。
また、石組のレイアウトや流木で高さだし、レイアウト素材がすいそうから 飛び出してしまっているような場合にも利用できる部品となります。
アクアフランジのデメリットは?
アクアフランジのデメリットが一つだけあります。
「見た目」ですね。
美しいフレームレスの水槽を使っているのに、フランジを付けてしまったら、そのフレームレス水槽の美観が損なわれることは間違いないです。
実際につけてみて、意外とフランジの存在感が出てしまい、見た目としては少し満足感がありません。
ただし、金魚の飛び出し防止と背の高い水草を水槽から飛び出させるようなレイアウトを作ってみたかったので、今回は美観の観点は我慢しようかと思います。
今考えていることですが、アクアフランジはカットして使えるので、もう少しコンパクトな形に切って使えそうな感じがあります。ハサミで上手く切れれば、見た目を改善できそうな感触もあるので、またチャレンジしてみたいと思います。
この記事の終わりに
この記事では、水面から飛び出す大きさの水草栽培と水槽から魚が飛び出してしまうことを防止するアクアフランジの採用について紹介をさせていただきました。
エキノドルスやアヌビアス・バルテリー等の、背が高く水槽水面から飛び出してしまうような水草をレイアウトに使う場合、ガラスの上蓋は使えなくなるので、魚の飛び出し防止の代替策が必要になります。そんな時に、アクアフランジの機能が役立つ場面となります。
少し水槽の見た目 (美観) は下がってしまうというデメリットはありますが、水草を健全に育て魚の飛び出しを防止するためには、採用することが一つの手段だと思います。
この記事が同じような悩みに直面したアクアリストの方にとって有益な情報となりましたら幸いです。