芦屋川でガサガサ!悲しいことに特定外来生物も採集 -2021年夏-

西宮から神戸を流れる河川は、六甲山による急勾配の地形のため、全長が短く水深のない河川が多いのが特徴です。

ゲリラ豪雨による短時間の増水という危険はありますが、晴れた日にはファミリーで川遊びをするのにも適した川が多く、この記事で紹介する芦屋川もその中の一つとなります。

夙川、芦屋川、住吉川が神戸・西宮の有名な河川ですが、都会を流れる河川と言えど、どの河川にも多くの日本淡水魚が住み着いています。

網を持って川へ入れば多くの日本淡水魚が採集でき、図鑑やインターネットでしか見たことが無い魚たちの実物を身近に観察することができます。

2021年の夏も芦屋川に子供と出掛け、川魚を子供と一緒に採集・観察してきました。

この記事では、2021年の夏に芦屋川で見られた、豊富な魚種を紹介していきたいと思います。


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2021年の夏も芦屋川へ水遊びと川魚捕りへ

2020年の夏になりますが、初めて芦屋川に川魚を採集しに出かけました。

その時の記事は、次のリンクにある昨年の記事で紹介をさせていただきました。駐車場の情報や周辺情報も下のリンクで紹介していますので、アセス方法などは過去の記事を参照ください。

川魚だけではなく、川に生息する多くのエビが採集でき、訪れた日は子供達も満足できる一日になったのを覚えています。

そんな芦屋川だからこそ、2021年の夏も一度は訪れてみようと思い、2021年8月1日に子供を連れて川遊びも兼ねて再び訪れました。

さて、2021年の夏は、どんな川魚が取れたのでしょうか?

昨年出会うことが出来なかった魚種を採集することは出来たのでしょうか!?

魚捕りをしたのは芦屋市役所前

今年も芦屋市役所前の流域で魚捕りを楽しむことにしました。

コンビニも駐車場もあるので、安心して川遊びができる場所です!

阪神電車の芦屋駅からもアクセスしやすいので、車が無くても大丈夫です!

また、国道43号線には「フィッシングマックス 芦屋店さん」があるので、魚捕りで使用する網やライフジャケットなども現地調達可能です!

芦屋川は基本的には水深は浅いのですが、所々に深い淵があるため、小さなお子さんにはライフジャケットを着用させてあげてください。


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芦屋川は雨が降らないと河口から上流500mくらいが干上がります…

筆者の住む神戸周辺ですが、2021年7月後半から8月前半にかけて、まとまった雨が降らない状況でした。

そのためだと思いますが、芦屋川は河口から500mくらいの位置まで、水が全く無い状況でした。

芦屋市役所には水が流れており、川遊び・魚捕りができる状況でしたが、河口付近の下流域は干上がった状況。

もし、芦屋川に出掛ける際は、直近の降雨量を確認してから出掛けると安心かと思います。

ただ、河口付近は干上がってしまっても、中流域には水があり、川魚がたくさんいるので御安心を!

採集できた川魚の紹介

では、ここからは2021年夏に実際に採集できた魚たちを紹介していきます。

2020年の夏と比較して、変化した点や変化していない点なども、記録できるところは記載していきたいと思います。

また、下で紹介する採集した魚については、子供と観察した後に直ぐに川に逃がしてあげています。

夏はバケツや容器の中の水があっという間に高水温になるので、捕獲してしばらくすると命の危機を迎えます。持って帰る予定が無い生体については、なるべく早く放流してあげてくださいね。

川エビは大量に捕れます (昨年同様)

まずは昨年大量に採集できた川エビ達ですが、今年も大量に生息を確認出来ました。

葦 (あし) の中にタモを突っ込むと、その度に10匹くらい捕獲できるくらいです。

ミナミヌマエビやスジエビなどがメインですが、かなりの数が生息していますね。

カワムツとウグイも大量に捕れます (昨年同様)

簡単に捕まえられる魚としては、カワムツやウグイの幼魚ですが、これらも大量に採集可能でした。

水たまりの様になった場所にタモを入れてガサガサすれば、かなりの確率でたくさんの幼魚が捕まえられます。

2021年夏に訪れた時は、小さなものは3cmくらいの体長ですが、成長したものの中には7cmくらいの大きさのカワムツが含まれていました。

カワムツやウグイは、5cm以上の体長になってくると、かなり知能が付いて泳ぎも速くなるので、捕まえる難易度が一気に上がる感じがありますね。

大きめの魚を捕まえるためには、少なくとも直径30cm以上ある大きめの網が必要です。

ヨシノボリは昨年よりもサイズが小さく数が少なかった

ヨシノボリについては、シマヨシノボリやクロヨシノボリなど、多くの種類のヨシノボリを確認することができました。

しかし、2020年の夏に比べると、少し数が少なく、サイズの小さな稚魚がとても多かったです。

雨量などの天候の違いによるものかと思いますが、秋にかけて無事に大きく育ってくれることを願うばかりです。

ヨシノボリ属は、水底の石に張り付いているので、水底を中心にガサガサを行うと簡単に採集できますね。

また、浅瀬にも生息しているので、小さな網でも捕獲可能です!

2021年はアユの遡上が確認出来ました!

2021年の夏に新たに知ったことですが、芦屋川にはアユが遡上するんですね!

数はそれほど多くは無いと思いますが、下の写真の様に体調10cmから15cmくらいのアユが採集できました。

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たまたま採集できたのではなく、水中を泳ぐアユを所々で発見できましたので、毎年遡上しているのかもしれません。

アユは動きが早いので捕まえるのに苦労しますが、岸際に追い込んだり、鮎の通り道となる場所に網を仕掛ければ捕まえることができます。

2時間くらいで3匹のアユを捕まえることができました。

芦屋川の近くを流れる西宮の夙川では、河口付近にアユが遡上してくることが知られていました。

芦屋川という小さな河川でもアユの遡上が確認出来たので、神戸から西宮の間を流れる他の川でもアユが確認出来るかもしれませんね!

新たにムギツクとウキゴリの生息も確認!

上記のアユに加えて、昨年採集できていなかった魚を、追加で2種採集することができました。

1つ目は下の写真の中央に写っている、黒いはっきりとしたラインが特徴的な「ムギツク」ですね。

ムギツクは日本に広く分布している淡水魚ですが、地域によっては狙って採集が出来ない魚であると聞きます。

昨年の芦屋川でのガサガサでは採集できず、今年は数匹だけが採集できたので、数がそこまで多くないのかもしれません。

次の写真は「ウキゴリ」です。

ウキゴリも昨年は採集できなかったのですが、今年は数匹だけ芦屋川の河口に最も近い所で採集できました。

ウキゴリはハゼと間違えられることが多いですが、異なる魚種になります。

また、ウキゴリという名前ですが、幼魚の時期に水中で浮いていることが多いこと (=ウキ) 、そしてハゼが地域によっては「ゴリ」と呼ばれています。水中に浮いているゴリに似た魚ということで「ウキゴリ」となったそうです。

ウキゴリは少し攻撃的な面を持つため、水槽での飼育では他の魚との混泳相性に気を遣います。

しかし、美しい体型と模様で、日本淡水魚水槽では人気の魚種と言えますね!


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芦屋川にブラックバスが!違法な放流は止めて!

本記事のタイトルにある「あり得ない魚」ですが…

それは、「ブラックバス」です。体長は15cmほどの幼魚です。

芦屋川に生息していてはいけない魚ですよね。

昨年、芦屋川を訪れた時には熱帯魚の「ゼブラダニオ」を採集しました。下記のリンクを参照ください。

昨年はこのゼブラダニオを捕獲して驚いたのですが、今年はブラックバスに驚かされました。

昨年はブラックバスを採集していなかったこと、今年一匹だけが採集されたことを考えると、数自体は多くないのだと思います。まだ15cm程度の幼魚であることを考えると、最近になって誰かが違法に放流した個体の可能性もありますし、芦屋川で繁殖して大きくなった個体である可能性もあります。

芦屋川はウグイやカワムツなどの幼魚が豊富に生息しているので、ブラックバスにとっては容易に餌が得られる環境になります。

そのため、成長の速度も速く、雄と雌が生息していれば容易に繁殖してしまう環境だと思います。

日本の生態系を守るためにも、特定外来種の違法な放流は絶対にやめましょう!

このブラックバスは、芦屋川の生態系を守るために、その場で処分しておきました。

この記事の終わりに

この記事では、2021年の夏に芦屋川でガサガサを行い採集できた日本淡水魚を紹介させていただきました。

2020年の夏にも芦屋川を訪れましたが、その時に採集することが出来なかった3種の魚 (アユ、ムギツク、ウキゴリ) を新たに捕まえることができました。

芦屋川では「オヤニラミ」が採集されたことも報告されており、今回採集できるのではないかと期待していたのですが、今年もオヤニラミは採集することができませんでした。

また、芦屋川には本来いてはいけない「ブラックバス」が新たに網にかかりました。ブラックバスのいない池や川の方が少ないと言われることがありますが、芦屋川のような小さな河川にも生息していることは驚きでした。芦屋川の日本淡水魚の生態系を守るためにも、その場での処分を余儀なくされましたが、特定外来生物の違法な放流は本当に止めましょう!

来るたびに新しい日本淡水魚に出会える芦屋川。

来年の夏も、予定を作って、芦屋川での日本淡水魚採集を楽しみたいと思います。