海に囲まれた日本は、海に面した多くの都道府県に海の水族館やマリンパークがあり、身近な海の生物から普段目にすることが出来ない魚などを観賞することができます。
そんな水族館の中でも、他の水族館に無い特色を出しているのが「沼津港深海水族館」です。
日本で最も水深がある駿河湾に面し漁業が盛んな沼津港にある水族館で、他の水族館では見ることができない深海魚たちを見ることが出来る唯一無二と言える水族館です。
深海魚に加えて冷凍保存されたシーラカンスの標本展示もあり、小さなお子さんだけでは無く少年少女時代にシーラカンスを図鑑で見て来た大人たちも興奮させてくれる…そんな水族館です。
筆者自身、自宅でアクアリウムを楽しんでおりますが、絶対に自分では飼育ができない深海魚がたくさん飼育されており、何度訪れても興奮してしまう水族館です。(これまでに2018, 2019年の夏休みと2021年冬休みに3回訪問)
この記事では、沼津港深海水族館について、見どころや周辺の情報を紹介したいと思います。
また、大型連休中の混雑状況や混雑を避けるための裏技なども記載しておきます。
沼津港深海水族館と駿河湾について
まず最初になりますが、沼津深海水族館へのアクセス方法と、深海水族館に関係の深い駿河湾について紹介をしていきたいと思います。
アクセスする際に渋滞を回避しやすい道路については、この記事の後半に記載をしておきます。
沼津港深海水族館へのアクセス
沼津港深海水族館は、沼津港の魚市場の隣に位置する観光施設「港八十三番地」内にある水族館となります。
具体的な地図は、下のGoogle Mapを参照ください。
深海水族館のすぐ隣には漁船の並ぶ沼津港があり、南側には一級河川「狩野川」の河口もあるという、まさに港町の中にある水族館です。
一般的な水族館では「イワシ」「エイ」「マダイ」等の有名な魚を主に展示しているのに対し、沼津港深海水族館は駿河湾の深海で採取された深海魚が多く展示されているという他の水族館には無い特色があります。
他の水族館では見られない海の魚や生物たちを見ることが出来る施設になりますので、来館した多くの方が「何?この魚!?」「グロテスクすぎる…」というような感想を持つかと思います。
周辺の駐車場について
沼津港深海水族館の周辺には無料駐車場に加えてコインパーキングも多数あります。
無料の駐車場は「沼津魚市場 無料駐車場」になりますが、下のGoogle Mapの通り、狩野川の河口部にある駐車場となります。この無料駐車場は、深海水族館まで300m程度の距離があります。
コインパーキングは、港八十三番地の周辺にいくつかあります。休日でも1時間300円程度なので、短時間の滞在であればコインパーキングを利用するのもアリだと思います。私は滞在時間が2時間程度のため、毎回コインパーキングを利用しています。
沼津みなと新鮮館の無料駐車場もありますが、こちらは新鮮館の利用者のための駐車場になりますので、混雑時の長時間利用を避けるなどのマナーは必要かと感じます。
駿河湾は日本で最も深い海
静岡県の駿河湾は、岸から数km離れただけでも水深が1000m以上になるという、急激な地形の変化を持つ湾となります。
駿河湾の中央部にあたる最も水深が深い場所は、水深が2500mもある日本で最も深い海となっています。
駿河湾は幅 (開口) が55kmもあり、東側には急斜面の大陸斜面、西側には大陸棚などがあるため、多くの深海生物の生息場所になっており、多くの新種生物が発見される場所でもあるのです。
ちなみに、最も深い海は駿河湾 (水深 2500m) ですが、第2位は相模湾 (神奈川県) の1500m、第3位は富山湾 (富山県) の900mとなります。駿河湾は第2位の相模湾と比較しても1000mも水深が深く、日本国内では突出して水深が深い場所であることがわかるかと思います。
沼津港深海水族館は実は人気の水族館!!
冒頭で日本には各地に水族館があるということを記載しましたが、全国には水族館と呼ばれる施設が100以上あります。
その水族館の中で、「トリップアドバイザーが選ぶ人気の動物園・水族館 2020」にランクインした施設を見てみると、実は沼津港深海水族館は人気上位にランクインしているんです!
以下がそのランキングです。青色の文字が水族館となります。
第1位…高知県立のいち動物園
第2位…掛川花鳥園
第3位…アドベンチャーワールド
第4位…那須どうぶつ王国
第5位…旭山動物園
第6位…沖縄美ら海水族館
第7位…野毛山動物園
第8位…鶴岡市立 加茂水族館
第9位…鳥羽水族館
第10位…神戸どうぶつ王国
第11位…東山動物園
第12位…神戸市立王子動物園
第13位…沼津港深海水族館
第14位…生きているミュージアム ニフレル
ということで、沼津港深海水族館は2020年のランキングで第13位に入っているんですね。
水族館だけで考えると、全国で4位なんです。
深海魚と言うジャンルに目を向けたことが高評価の理由なのかもしれませんね!!
沼津港深海水族館の展示や見所
沼津港深海水族館の見どころと言えば、以下の3項目!
・世界で唯一の深海生物に着目した水族館であること
・深海生物が常時100種類展示されていること
・生きる化石と言われるシーラカンスの冷凍標本があること
これらの見所の中でも、個人的には「深海生物の展示」が最も注目ポイント!
もちろん、深海水族館的にはシーラカンスの展示が最大の見所ですが、やはり数多く展示されている深海魚1匹1匹も深海水族館の主人公達なんです…。
その深海魚の中でも、個人的にお気に入りになった一部を、以下で写真とともに紹介したいと思います。
独特な突起と模様を持つ「キホウボウ」
水深150m~400mの水深に生息するキホウボウという深海魚です。
「ホウボウ」という魚の名前を聞いた方があるかと思いますが、見た目はまさにホウボウに似た容姿を持っています。
体全体が板状の骨で覆われており、嘴のように見える部分で砂を掘り起こして餌を探すという習性があります。
また、深海で餌を探すときに役立つ味蕾 (みらい) が下顎と胸鰭に付いているとのことです。
その独特な体の形状だけでは無く、網目状に入った模様も特徴的で見入ってしまった魚の一つです。
細かい毛に覆われた「オキナエビ」
「まさに深海のエビ!」と思えたのが、このオキナエビ。
体の色が白色で、目はほとんど退化しており、爪が細かい毛に覆われているという…見たこともないような奇妙なエビです。生息域は深海300-800mとのこと。
深海の砂地や泥地に住み、深海生物を食べて暮らしているとのことですが、まだまだ生体が未解明の部分が多そうなエビですね!
鱗の無いオレンジの深海魚「サケビクニン」
一番インパクトが大きかった深海魚が、この「サケビクニン」です。
深海100m~600を生息域とし、鱗の無いつるつるの魚体はオレンジ色をしており、体全体がゼラチン質の柔らかな体をしているそうです。
上の写真では確認できませんが、胸鰭に味蕾 (みらい) を持ち、この味蕾で餌を探して暮らしているそうです。
こんな深海魚、沼津港深海水族館以外では見られませんよ!?
鉄板のシーラカンス冷凍標本が主役!
沼津港深海水族館といえば、冷凍標本のシーラカンスですが、やはりこれが主役ですよね!?
私が子供の時、シーラカンスは図鑑の中でしか見たことが無い存在でした。
しかし、沼津港深海水族館が開館し、シーラカンスの冷凍標本が展示されたことで、シーラカンスと言う生きた化石を目で見ることができるようになりました。
恐竜時代から姿を変えることなく、今も地球に存在するシーラカンス…
地球の歴史の奥深さを感じられる…そんな場所となるのは間違いないですね。
深海魚の豆知識 ~赤色の深海生物が多い~
沼津港深海水族館で深海魚を観察して見ると、体が赤色やオレンジ色などの暖色系の色をした生物が多いことに気付きます。
もちろん、魚の図鑑で見てもらってもわかることですが、暖色系の色の生物が多く見受けられます。
例えば、食べて美味しい「キンメダイ」や「アコウダイ」、赤色の模様を持つタカアシガニ、そしてリュウグウノツカイも赤色の鰭を持っています。
このように、暖色系の色が多いのは何故でしょう?
理由は、太陽光の中に含まれる赤色の光が深海まで届かず、外敵に見つけられる可能性が低くなるためであると言われています。
深海を想像すると青白く微かな光が届く海中のイメージがあると思いますが、青色の光は最も深くまで届くため、深海に対してはそのようなイメージがありますね。
沼津港深海水族館で深海魚を観賞する際は、体の色にも着目してみて下さいね!
大型連休中の混雑と解決案を提案
沼津港深海水族館は、当たり前ですが、静岡県内の人気観光スポットです。
そのため、大型連休ともなれば、周辺が大混雑します。
私が訪れたのは、冒頭に記載の通り、 2018・2019年の夏休みと2021年冬休みの3回ですが、いずれも大型連休中であり大混雑の状態でした。
この3回の訪問から、混雑や渋滞などを避けるために必要な裏技を3つ紹介します。
この事前知識で、絶対に渋滞・混雑が裂けられるとは言えませんが、知っておいて損は無いと思います。
車で来館する際は国道414号線から入ること!
まず一つ目は、沼津港深海水族館へのアクセスルートです。
沼津港深海水族館への来館は、多くの方がマイカーやレンタカーを利用されると思います。
その際に利用するメインルートは、下の図に示すように県道159号線 (緑色の線) 、または国道414号線 (紫色の線) からのどちらかになると思います。
私の経験上ですが、紫色の国道414号線から入る方が確実に渋滞が少ないです。
沼津駅を経由してこられる場合が多いですが、この時に県道159号線を使った方が距離が短く見えるのですが、皆さん考えることは同じで、こちらの方が渋滞が発生しやすいです。
沼津港深海水族館に入る場所に信号があるのですが、県道159号線から入る方の方が信号が青の時間が短い…。これが原因では無いかと思います。
そのため、国道414号線を利用することをお勧めします!
ただし、帰りの際にはどちらのルートを利用しても渋滞はほとんど無いと思います。
駐車場はコインパーキングで入庫待ちするのもアリ!
次の混雑ポイントは駐車場!
当たり前ですが、大型連休ともなれば、沼津港深海水族館の周辺のほぼ全ての駐車場が満車状態になります。
特に水族館の南にある無料の駐車場は、朝早くに到着しないと入庫が難しいと思います。
昼前に到着となると、コインパーキング含めた全ての駐車場が満車となり、周辺道路への路駐も散見されるようになります。
周辺道路は狭い場所もあったり、通行の邪魔になるので絶対にやめましょう!
私自身も毎回車で深海水族館を訪れるのですが、必ず実践していることがあります。
それはコインパーキングの入り口で入庫待ちをすることです!
コインパーキングは大型連休中は常に満車状態なのですが、コインパーキングの入り口で他の方が出庫するのを待って入庫させるという方法になります。待ち時間はできてしまいますが、毎回約15分程度で入庫ができています。
駐車場を探して周辺道路をうろうろしても駐車場がタイミングよく空くことは稀です。
確実に駐車場へ駐車するには、確実に駐車が出来る場所に陣取って待つしか無いんです…。
食事は沼津みなと新鮮館が穴場!?
3つ目の混雑ポイントは「飲食店」です。
沼津港の「港八十三番地」には多くの飲食店があるのですが、大型連休となればお昼時は満席が当たり前です。
テイクアウト専門のお店であれば少しの行列で済みますが、「浜焼き」や「がんがんやき」を売りにした人気のお店ともなれば30分~1時間の待ち時間は当たり前になることも…。
そんな混雑する港八十三番地ですが、その向かい側にある「みなと新鮮館」は実は穴場だと思います。
私が沼津港深海水族館に3回訪れた際に、毎回、みなと新鮮館の食堂街を利用していますが、待ち時間は常に10分以内です。
2021年の冬休みに家族で訪問した際には、「千漁屋さん」を利用しましたが、港八十三番地のお店が30分以上の待ち時間であるのに、待ち時間は0分でした。
決して料理が悪いということでは無いんです!量も味も非常に満足のお店です。
下の写真は、海鮮フライ定食ですが、アジフライ1枚、カキフライ2個、エビフライ2本に大盛ご飯と味噌汁が付いて1800円。少しお値段が高いように感じますが、アジの大きさとカキの大きさが超でかい…。これだけ型の良い素材を使ってもらっていたら、お値段にも納得です。
子供用の定食は800円以下で用意されており、小学校であれば必ずお腹いっぱいになる量です。
港八十三番地のお店が混雑で入れないような状況であれば、みなと新鮮館の利用を検討しても良いかと思います!
金目鯛の干物は必ず買ってお土産にしましょう!
沼津のお土産と言えば「干物」!
これは鉄板です。
沼津のお土産で干物に勝るものはありません!(言い切ります)
最も人気なのはアジの干物だと思うのですが、絶対に味わってもらいたいのがキンメダイの干物です!
駿河湾の深海で取れたキンメダイは、脂の乗りが良く、干物で食べると絶品です。
値段はキンメダイのサイズに依存しますが、大きなサイズで800円くらい、小さなものであれば5枚で1000円程度で購入できます。
ただ、キンメダイは大きなサイズほど脂の乗りが良いので、お値段は張りますが大きなサイズを選んでみて下さいね。
市場によってはその場で値引き交渉ができるところがありますが、沼津港はそのような文化が無いようです。(もし値引きできるような情報があれば、コメント欄で御教示下さい。)
この記事の終わりに
本記事では沼津港深海水族館の見所や周辺情報、そして混雑回避のヒントになることを記載させていただきました。
沼津港深海水族館は、深海魚とシーラカンスをテーマにした水族館であり、世界中の水族館の中でも唯一無二の存在であると言える施設です。
今までに見たことが無いような魚たちばかりが展示されていますので、静岡県を訪れる際には、是非訪れてみてはいかがでしょうか?
特に魚が大好きのお子さんは、目を輝かせて展示水槽を眺めてしまうと思いますよ。
また、沼津港深海水族館は以前よりも人気が高くなっており、大型連休になると入館までに数十分かかることが多くなっています。周辺の道路が渋滞、お店の混雑が混雑することも必至です。
渋滞や混雑を回避するヒントを幾つか紹介させていただきましたが、訪問の際の御参考になれば幸いです。