大都市に近い海を見ると、お世辞にも「綺麗」とは言えない海の色をしています。いわゆる、茶色く濁っている海です。
それに対して、沖縄の海を想像すると、エメラルドグリーンの美しい海というイメージがあるかと思います。
この海水の色や透明度は、海水に含まれるプランクトンの存在が大きく関係していると言われていますが、誰もが好むのはやはり透明度の高い綺麗な海ではないでしょうか?
私が住む関西の阪神間、特に大阪から神戸の間では、海の色が常に茶色く濁っている状態です。
それに対して、明石の方まで足を運ぶと、透明度の高い綺麗な海水が迎えてくれます。
この海を見た時に、ふと思った疑問があります。
「阪神間の海水の色はどこで変わるのか?」という疑問です。
この記事では、阪神間の海水の色がどのあたりで変化するのかを、フェリーに乗って実際に観察した結果を紹介したいと思います。
今回の記事作成を思い立った理由
このブログを何度か御訪問していただいている方であればお分かりいただけているかと思いますが、私は釣りが趣味です。
子供の頃に始めたフナ・コイ・ブラックバスの釣りを原点として、様々な釣りを趣味にしています。
大人になり、阪神間に住むようになってからも、時間を見つけては大阪湾へ釣りへ行く機会を作っています。
しかし、大阪湾の中でも神戸から大阪にかけての海の色は、決して「綺麗」とは言いがたいと感じます。
水質的には問題は無いと思いますが、植物プランクトンが多いと言われる大阪湾では、海の色が茶色に染まって見えます。
正直なところ、初めて大阪湾で釣りした時は、「この海で釣れた魚は食べられるの?」と思ってしまったほどです。
しかし、車を使って明石や舞子の方まで行くと、神戸の茶色い海が嘘のように、透明度が比較的高い綺麗な海になります。
特に明石よりも西の瀬戸内海は、大阪湾と比べるとかなり透明度が高くなり、釣りをしていても気分が良い環境となります。
そんな中、関西にある有名な釣りスポットで釣りをしてきた筆者としては、何年もの間、「大阪から明石にかけての海は、どこで海水の色が変化するのか?」という大きな疑問がありました。
その疑問を調査する絶好の機会が2021年8月中旬にやって来ました。
小豆島へ旅行に行くことになり、神戸から小豆島を繋ぐジャンボフェリー (ニャンコフェリー) に登場する機会を得たのです。
水質の確認方法は海水の色をジャンボフェリーに乗って観察
上記の通り、2021年8月に小豆島への旅行を計画し、ジャンボフェリーに乗って小豆島へ渡りました。
その際に、神戸での出航から、明石を通過するまでの約1時間ほどの間、フェリーの最上階に出て海水の色をじっくりと観察していきました。
ジャンボフェリーの航路は、神戸のフェリーターミナルを出港して、須磨沖、明石海峡大橋、明石を経て小豆島の坂手港を結んでいます。(上の写真は、ちょうど神戸港を出港した直後の写真です。)
そのため、神戸から明石までの間の海の色が観察できる航路になるのです。
旅行が目的ではあったのですが、冒頭で紹介した疑問 (阪神間の海水の色はどこで変わるのか?) を調査する絶好の機会となったのです。
海の色の観察方法は単純で、目視で海の色を確認し、各撮影ポイントでの写真を比較していくという方法です。
目視確認がメインのため、私自身の意見が主となってしまいますが、ご了承ください。
海水の色を観察したポイントと時期について
さて、実際にジャンボフェリーに乗って海の色を観察した日時ですが、2021年8月中旬の大潮の日になります。
朝の時間帯に小豆島へ迎う便を利用しました。
海の色を観察したポイントとしては、次の図の通り、合計で5つの地点となります。
①神戸港を出港した直後
②和田防付近
③須磨海岸沖
④明石海峡大橋の下
⑤明石港の沖
これらの地点で海の色を目視観察して写真のおさめてきました。
その結果を以下で紹介したいと思います。
ただし、この海の色の観察結果は、時期や潮の流れによって左右されると推測されます。あくまでも御参考としてお考えいただけましたら幸いです。
実際に海水の色を観察した結果
では、実際にフェリーの上から神戸の海の色を確認した結果を写真と共に紹介していきます。
写真では本当の色や変化や分かりにくいと思いますが、ご了承ください。
①神戸港に近い場所
最初の写真は神戸港のジャンボフェリーの発着所付近の海水になります。
大坂・神戸にお住まいの方であれば、この海の色は見慣れたものかもしれません。
決して綺麗な色とは言えない海水ですが、防波堤から釣りをすれば、サビキでアジ・イワシ・サバがたくさん釣れる豊かな海でもあります。
この写真の海水の色よりも、さらに茶色が濃くなることもありますね。
②和田防を出たあたり
次は神戸港の沖にある防波堤の「和田防」を出たあたりです。
ちょうど神戸空港が最も近くなる付近での海水の色になります。
和田防を出たあたりでは、まだ海水の色は変わらず、茶色く濁ったままになります。
和田防は釣りの有名スポットでもあり、多くの釣り人が釣りをしているのですが、フェリーから見ているとコブダイやスズキの死骸がいくつか浮いているのが見えました。
ちょっと気になりましたが、写真を撮影した8月中旬は雨量が少ない事や高い気温 (海水温の上昇) による低酸素状態が続いていることが原因なのかもしれません。
③須磨海岸沖
さて、次は海水浴で有名な須磨海岸の沖になります。
須磨海岸の沖に出てくると、次の写真の様に大阪湾には潮境が現れてきました。須磨海岸沖辺りから海水の色に変化が現れてきそうなう予感がしますね。
しかしながら、海水の色はまだ少し濁りが残っております。
とはいえ、神戸港を出た時と比べると確実に海の透明度が増していることが、目視確認でもわかるレベルになりました。
須磨海岸は綺麗な砂浜と比較的透明度の高い海水があるというイメージです。
しかし、須磨海岸の沖に出て水深の深い所を確認すると、まだまだ透明度が高くは無い状況と言えますね。
水深の浅いビーチでは、砂浜の底が見えるので、海水の色が綺麗に見えているだけなのかもしれません。(もちろん、潮の流れも影響して、当日がこのような状況だっただけなのかもしれませんが…)
④明石海峡大橋の下
さて、ジャンボフェリーは西へ西へと進み、明石海峡大橋と淡路島が目前に迫ってきました。
明石海峡大橋は、何度見ても、日本の誇る技術が詰まった素晴らしい橋だと思いますね!
明石海峡大橋までやってくると、海水の透明度がさらに増します。
下の写真の様に、茶色い濁りはほとんど消えていることがわかります。
水深が深いので、海の色が濁っているようにも見えますが、神戸港と比べても確実に海の状態が変わっていることがわかるかと思います。
⑤明石港の沖
さて、最後のポイントになりますが、明石港沖の海水の色になります。
神戸港を出港してから、どんどん海水の透明度が高くなっているので、明石港までくれば更に透明度が高くなると期待できます。
実際に、明石港沖の海水の色が次の写真になりますが、とても綺麗な海の色になっていました。
初めて明石まで釣りに来た時に、神戸の海の色とお違いに驚いたことを今でも覚えています。
大坂湾 (姫路~大阪南港) の海水の色は、上で紹介した茶色い海水だとずっと思っていたので…
この明石の海水の色を見ると、神戸から少し足を延ばして明石まで釣りに行こうという気になってしまうことも多々あります。
この記事の終わりに
さて、この記事のまとめに入りたいと思います。
上では各ポイントでの海水の色を別々に紹介したのですが、下の写真は①神戸港、③須磨海岸沖、⑤明石港の沖の海水の色を並べたものになります。
①神戸港に比べると⑤明石港の海の色の透明度が明確に上がっていることが分かるかと思います。
また、神戸から明石にかけての海水の色が大きく変わるポイントは、須磨海岸の沖辺りになっていることもわかりました。明石海峡 (須磨海岸から明石) は、その名の通り、海の幅が一気に狭くなり、潮流もかなり早くなるポイントになります。そのため、瀬戸内海の透明度の高い海水と大阪湾の茶色い海水が須磨沖で入れ替わるのだと思います。
最後になりますが、小豆島に接近した瀬戸内海でも同じように海水の写真を撮影してみました (次の写真参照) 。
明石港の沖の海水でも綺麗だと思いましたが、更に瀬戸内海側に来たら、より海の透明度が増していました。
もし機会があれば、今度は大阪から和歌山方面へ向けてのフェリーに乗り、和歌山側での海水の色の変化も確認して見たいと思います。
では!