芦屋川は川エビと川魚の宝庫だった!

大阪から神戸にかけての海沿いには、駅名の由来になるような有名な河川が沢山あります。

川幅の大きな河川では淀川、武庫川があり、川幅の小さな河川としては夙川、芦屋川、住吉川などがあります。

それらの河川の中でも、気軽に水生生物を捕まえられる河川や場所は限られている印象があります。例えば、水深が深かったり、葦が生い茂っていたりすると近寄ることさえできない河川・場所があります。

そんな中、住吉川や芦屋川は阪神間の河川の中でも比較的水辺の整備されており、かつ水生生物が豊富な川としても知られています。

先日、お世話になっているアクアリウムショップ関係の方から「芦屋川が川エビが豊富ですよ。水深も浅く足場もしっかりしています。」という情報をいただきました。

水生生物好きな自分としては、現地に行って調査してみたいという気持ちになり、実際に芦屋川に遊びに行ってきました。その時の調査結果をレポートします。

【2024年9月14日更新】駐車場の位置など、この記事の内容に大きな変更はありません。


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芦屋川について

芦屋川へのアクセスと川の状態

芦屋川は芦屋市の中心を流れる河川で、六甲山系を源流として芦屋浜までを直線状に流れる河川になります。

市街地を流れる河川のため、護岸工事はきちんと整備されているのですが、川の中はアスファルトではなく土が盛られているので、比較的自然に近い環境を作り出している河川になります。

セレブの街・芦屋というイメージ通り、芦屋川から見る街並みは豪邸が立ち並んでおり、少し川遊びをするのに戸惑うような場所でもあります。

しかし、私が訪れた8月の中旬は、多くの家族連れが子供と一緒に川遊びを楽しんでおり、特に川エビ捕りを躊躇するような雰囲気はありませんでしたよ。

芦屋川の風景

肝心な川の状態ですが、水深は深い所で80cmくらいですが、多くの場所が水深30cmから40cm程度ですので、大人の膝下くらいの水深になります。

また、流れの速さですが、ところどころ流れの強い場所はありますが、基本的に多くの場所が流れがあまり無い静かな川です。

両岸には葦が生い茂っている部分もありますが、このような場所に川エビや川魚たちが住み着きます。

芦屋川の調査を行う前に、川沿いを車でざっと調査したのですが、芦屋市役所よりも上流域は葦が生い茂っている部分が多く、川エビ捕りには適さない場所が多い印象でした。

今回川エビを調査した流域の詳細は以下に記します。

川エビの生息を調査した芦屋川の流域

今回の芦屋川の調査で、川エビを捕獲した流域は国道43号線より南の流域になります。

国道43号線から南側を見ると、実は海が見えるので、河口に近い流域でもありました。河口に近いのですが、芦屋川は高低差が大きいので、干満の影響は受けにくく、多くの場所が淡水域になります。干満の影響を受けるのは、本当に河口付近に近い場所のみです。

今回の調査は芦屋川の河口に近い方ですが、六甲山系に近い山側にも川エビは生息しているという事でしたので、また次の機会に調査したいと思います。

芦屋川周辺の駐車場について

芦屋川の両岸には所々にコインパーキングがあります。

河口付近では、芦屋公園にもコインパーキングがありますし、芦屋市役所にもコインパーキングはあります。

芦屋川の両岸の道路は路上駐車が禁止されていますし、路駐されている車自体が無い地域でしたので、コインパーキングの利用が無難です。

私が川エビ捕りをしている間にも、緑色の服を着た路上駐車監視員さんが見回っていたので、必ずコインパーキングを利用してくださいね。

阪神芦屋駅からも徒歩ですぐの所にあるので、お車の無い方は電車で来ることもできるかと思います。

川エビ捕りで必要なものと狙うポイント

川エビ捕りに必要なものは、魚とりに使う網ですね。

網の目が粗いものもありますが、川エビは体調が3cm程度と小さいので、必ず目の細かいものを用意するようにしてください。

また、川エビを捕った際に入れて置く容器も必要ですが、できれば水替えが簡単にできるものをお勧めします。

川エビは水質の変化 (温度やpHなど) に非常に敏感で、それが原因で命を落としてしまうこともあります。特に夏の暑い時期にバケツの中に入れて置くと、あっという間に水温が上がってしまうという危険性があります。

そのため、少なくとも15分に1度は水の入れ替えが必要になりますので、虫かごでも良いですが水替えを行える構造の容器をお勧めします。

次に川エビが住み着いているポイントですが、基本的に川エビは水草にしがみついて生活しています。たまに水底にいる場合もありますが、昼間の時間帯は葦などの水生植物にしがみついています。

下の写真に示すように、葦が生い茂る部分が住処になるので、このような場所を見つけて網を突っ込んで捕獲します。

川下に網をセットして、足で葦や水草の中をガサガサと蹴って、植物にしがみついている川エビを網の中に追い込むような方法になります。

正直なところ、この方法を使わないと、川エビはほとんど捕れません。

闇雲に何もない部分に網を投入しても何も取れません。植物の中に足を突っ込むのは嫌かもしれませんが、そこを乗り越えていけば捕れる量が劇的に変わりますよ。


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1時間の川エビ捕りの結果を報告

さて、実際に芦屋川で1時間の間で捕れた川エビを紹介します。

数としては子エビを含めると100匹以上は余裕で超えており、種類としてはミナミヌマエビとスジエビがメインでした。ちょっと珍しいヒメヌマエビも数匹捕まえることが出来ましたよ。

ヤマトヌマエビもいるかと思っていたのですが、確認できなかったので数が少ないのかもしれません。(または、小エビの中にヤマトヌマエビがいたのかもしれませんが、私が区別がつかなったのかもしれません。)

捕まえた川エビの中で、色や大きさの大きなものを選別して、下の写真に示すように、持ち帰る生体を選びました。

色が濃くアクアリウムの水槽でも映えそうなヌマエビと、一般的な半透明な色をしているミナミヌマエビを10匹程度お持ち帰りさせていただきました。

芦屋川で捕まえた川エビの写真

川エビは魚とり網を使用すれば、相当な数が捕獲できるのですが、生態系を守るという観点で、無暗に多くの生体を持ち帰るのは止めておきましょう!この豊富な生態系を崩さないように心掛けが必須です。

家に帰ってから水合わせを行って水槽の中に入れましたが、元気いっぱいに泳いで、水槽内に発生したコケをたくさん食べてくれています。

川エビ以外で捕れた生物は?

芦屋川の生態調査で、川エビ以外に多くの魚に出会うことが出来ましたよ。

最も多く網にかかったのはドンコでした。

ドンコは日本に広く分布しているハゼ類の仲間ですが、オオサンショウウオを彷彿とさせる見た目で、日本淡水魚の中でも人気のある底者の魚です。

このドンコはかなりの数が網に入ったので、相当な数が住み着いていると思われます。

川魚のドンコの写真

また、ドンコに並んで多かったのがヨシノボリの仲間です。

ヨシノボリはお腹に吸盤を持ち、急な流れの河川でも石や岩に吸い付いて泳ぐことが出来る珍しい生態を持った魚です。

ヨシノボリの写真

また、オイカワやアブラハヤのハヤの仲間も多く確認出来ましたので、魚種もかなり豊富なのだと感じます。

さらに、芦屋川ではオヤニラミも生息が確認されているということですので、運が良ければオヤニラミに出会えるかもしれません!私も捕まえられるかと期待していたのですが、今回の調査では出会うことが出来ませんでした。


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この記事の終わりに

本記事では、阪神間の沿岸部を流れる河川の中で、比較的安心して生体採取を楽しめ芦屋川を紹介させていただきました。

芦屋川は護岸工事で完全にアスファルトで覆われるのではなく、両岸に葦が生えたりしており、自然の状態が再現されている河川と言えます。また、足場も良いので安心して生体採取を楽しめる場所だと思います。

川エビや川魚の数も豊富で、実際に多くの生体を確認することができました。芦屋川の豊富な自然環境があってこその生態の豊富さなのだと思います。

本記事で芦屋川の紹介をさせていただきましたが、実際に行かれる方は自然環境保護の観点を忘れることなく楽しんでいただければと思います。特にゴミ捨てや異常な数の生体採取などは絶対にやめましょう!

また、芦屋川以外にも神戸・西宮には川遊びスポットがあります。以下の記事で5つのスポットを紹介しています。

【2020年8月29日追記】芦屋川は水が無くなることがあるそうです

この記事の読者様からいただいた情報なのですが、芦屋川は雨が降らない期間が長くなると水が無くなってしまうとのことです。

実際に、2020年8月27日の時点で、上で紹介した国道43号線の南の流域では、川の水がほぼなくなってしまっている状況だったとのことです。

国道43号線の北側にある芦屋市役所のあたりでは水が確認できたということです。

水が無くなるということは、川エビ達も死滅してしまうということなので、もし芦屋川に行かれる際には御注意下さい。

また、国道2号線のあたりまで北上すると水が無くなることは少ないということも情報をいただきました。芦屋川の南の流域に水が無い場合には、北の方へ北上してみて下さい。

私が訪れた時の事ですが、芦屋市役所の横を流れる流域でも川エビは多数確認することが出来ました。